要旨
第3回富士アカペラフェスティバルのコンペティションでは、
- ピッチ、ハーモニー
- リズム、グルーヴ
- 表現力
- 選曲、編曲
- ステージング、衣装
の5つの項目に分けて、各項目5点満点、3人の審査員の合計が75点満点となるように審査を行います。また、各審査員のコメントは全バンドに向けて公開します。
このような審査方法に至った理由、各項目の具体的な評価基準、減点基準、点数の標準化などについて、以下で詳細に説明いたします。
目次
1.今回設置される賞の内訳
2.評価基準
2-1.得点化の意義
2-2.各項目の評価基準
2-3.減点基準
3.点数の標準化について
3-1.標準化とは
3-2.具体的な計算方法
3-3.点数付けの具体的な方針
4.受賞者の決定
4-1.最優秀バンド賞、審査員特別賞受賞バンドの決定
4-2.その他バンド部門受賞バンドの決定
4-3.個人部門受賞者の決定
4-4.コメントの公開
4-5.受賞権利について
1.今回設置される賞の内訳
今回設置される賞は以下の通りです。
バンド部門
最優秀バンド賞
ハーモニー賞
リズムパフォーマンス賞
ステージテクニック賞
審査員特別賞 x 2
クリスタル賞 x 5
個人部門
リードボーカル賞
ベース賞
パーカッション賞
2.評価基準
2-1.得点化の意義
今回のコンテストでは各バンドのパフォーマンスを得点化しますが、この得点はあくまで審査の補助として用いるためのものです。
審査というのは知らず知らずのうちに審査員の好みが介在してしまうものであり、その影響をできるだけ排するためにも、基本的には点数にのっとった評価を行った上で、最終的な受賞バンドの決定については審査員の合議を最終決定基準とします。
2-2.各項目の評価基準
それぞれの評価基準について、具体的に説明します。
- ピッチ、ハーモニー
正しい音程がとれているか、旋律が正確なスケールを辿れているか、ピッチの揃ったハーモニーを奏でているか、各ハーモニーの音量のバランスは適切か 等
- リズム、グルーヴ
演奏している曲において適切なグルーヴが生み出せているか、正確にリズムを刻めているか、入りや切りのタイミングが揃っているか、アクセントの位置などで効果的にグルーヴを生み出せているか、ノリを全員が共有出来ているか 等
- 表現力
バンドで実現したいこと(感動させたい、興奮させたい、癒やしたい等)が音楽的表現(ダイナミクス、声調、音の運び等)で実現出来ているか
- 選曲、編曲
バンドで実現したいことに沿った適切な選曲、編曲が出来ているか
- ステージング、衣装
バンドで実現したいことがステージ上の立ち振る舞いや見た目で実現出来ているか
これらの項目について、各審査員は各項目5点満点で点数を付けます。一人の審査員の満点が25点、3人の合計が75点となります。
2-3.減点基準
減点対象となるのは、以下の行為が確認された場合です。
- 演奏時間の超過
持ち時間10分を演奏時間が15秒超過するごとに、最終得点から5%ずつ減点します。
具体的には、
00分00秒00~10分00秒00 減点なし
10分00秒01~10分15秒00 5%減点
10分15秒01~10分30秒00 10%減点
(以降略)
となります。
なお、「演奏時間」とは、大ホール客席で出演時間を計測しているスタッフからみて、演者が見え始めてから見えなくなるまでの時間とします。
- 曲目調査と異なった曲を歌った場合
10%の減点とします。また、仮にJASRAC申請の都合上追加で料金を支払う必要が出てきた場合には、実費をお支払いいただきます。
曲目の申請状況については、パンフレットに掲載されているものを基準とします。パンフレットに掲載されている曲が事前申請と異なる場合には、9/8 09:50までにスタッフまでお知らせください。
3.点数の標準化について
前章の評価基準に従って各審査員は点数を付けますが、その後、各審査員の点数は「標準化」と呼ばれる処理を施します。
3-1.標準化とは
例えば、バンドA,B,Cの得点が、それぞれ
審査員1:25点 15点 0点
審査員2:15点 17点 20点
となった場合、
合計点 :40点 32点 20点
となり、得点差をできるだけつけた審査員1の影響力が強くなってしまいます。ここでいう「審査員の影響力」を均等にするための操作が標準化です。審査員の影響力を均等にすることで、各審査員のつけた得点の比較が意味を持ちます。
3-2.具体的な計算方法
各審査員がつけた点数は、
z: 各バンドの最終的な点数
x: 始めに審査員がつけた点数
a: その審査員がつけた点数の平均
s: その審査員がつけた点数の標準偏差
としたとき、
z = ( x – a ) / s
で計算されます。これは、各審査員の得点の平均と分散を揃える操作となります。
具体的な統計学の議論については、統計学の参考書や以下のリンクを参照してください。
奥村太一.”3.1 標準得点”.テスト理論.2014.https://www.juen.ac.jp/lab/okumura/test/sect0011.html,(参照 2019-08-30)
3-3.点数付けの具体的な方針
標準化は相対評価を可能にする操作であるため、絶対評価での情報は薄まってしまいます。各審査員は「絶対評価の情報」が失われることを念頭に、最高得点を満点に、最低得点を0点にして使える評価の幅を最大にすることで、評価内容をより正確に反映させることが出来ます(3〜5点の幅で点数を付けるよりも、0〜5点の幅で点数を付けた方が情報量が多くなります)。
4.受賞者の決定
4-1.最優秀バンド賞、審査員特別賞受賞バンドの決定
全バンドの審査が終了したのち、前章にしたがって各審査員の得点は標準化されます。
その後、以下の流れに従って、最優秀バンド賞、審査員特別賞の受賞バンドが決定されます。
- 標準化後の得点における合計点を算出する
- 各審査員の上位5バンドを抽出する
- これらを参照の上、合議により決定する
最終決定の基準を合議としているのは、2-1節で述べた趣旨によります。
4-2.その他バンド部門受賞バンドの決定
ハーモニー賞、リズムパフォーマンス賞、ステージテクニック賞は、それぞれの評価基準において高い評価を得たバンドに送られます。
クリスタル賞は、衣装など光る部分があったバンドに送られます。本審査基準は総合力を重視した採点基準となっており、このような基準では評価されにくい、各バンドの個性という観点での評価です。
4-3.個人部門受賞者の決定
個人のパフォーマンスについては点数化を行いません。個人部門の受賞者については各審査員ごとに選出を行い、合議で決定をします。
4-4.コメントの公開
今後のバンド活動の参考にしていただくために、審査員のコメントをすべて公開します。
具体的な点数や評価に関するお問い合わせは実行委員会では受け付けることはできません。
4-5.受賞権利について
バンド部門各賞の受賞権があるのは、授賞式にバンドメンバー全員で出席しているバンドに限ります。一部メンバーが先に帰宅される場合、受賞辞退として扱います。
また、個人部門各賞の受賞権があるのは、授賞式に出席している方に限ります。こちらはバンドメンバー全員がそろっている必要はありません。
以上の内容についてご不明な点がございましたら、富士アカペラフェスティバル実行委員会までお問い合わせください。
富士アカペラフェスティバル実行委員会